2月の4日5日、洪道場出身の一力遼九段(挑戦者)と井山裕太棋聖が1勝1敗で並び、迎えた第46期棋聖戦3局目。
長崎県西海市の「オリーブベイホテル」の一室で行われ、252手を最後に黒番の井山裕太棋聖が投了。
一力遼九段の中押し勝ちとなりました。
読売新聞が主催するタイトル戦。賞金は最高額の4500万円。7局で勝敗を決め、各対局2日間かけて行う。
二日目、どんでん返しの展開
序盤中盤は井山先生が有利を築いていましたが、対局が進行するにつれて混戦を極め、秒読みに入った後も一力先生は反撃の手を緩めず、粘りに粘っての逆転勝ちとなりました。
今回の対局についての詳しい解説は読売新聞等でも記事になっていますので、興味のある方は是非ごらんください。
日本棋院のYouTubeでは2日間フルで見ることもできます。
もちろん解説付き、視聴者のリアルタイムのコメントも面白いです!
ツイッターなどのSNSでも今回の対局は話題になりました。
プロの目から見ても壮絶な戦いだったようです。
棋聖戦の第3局は挑戦者の一力遼九段が白番中押し勝ち。対戦成績を2勝1敗としてリードを奪いました。難解を極めた終盤戦。一時は井山裕太棋聖が絶妙の手段で勝ちを決めたかに見えましたが…。黒189の一手が「大事件」。そこから一力九段が逆転し白星をつかみました。大きな1勝です。 pic.twitter.com/P6NrLIIr4n
— 女流本因坊戦•KK共同通信 (@KK_joryu) February 5, 2022
棋聖戦が激熱な展開になってる…。
すごい…。https://t.co/bJ0vrYjSja#棋聖戦— 星合志保 (@shiho_hoshiai) February 5, 2022
洪先生と一力先生のエピソード『井山7冠が強すぎる』
ご存知の方も多いかもしれませんが、一力先生は洪道場出身のプロ棋士です。そのため、洪先生とも厚い信頼関係があります。
一力先生といえば、メディアに出る際は常に凛々しく、囲碁も強く精神も強い。
そんな一力先生が数年前、洪先生に相談のメールを送った事がありました。
めったに弱音を吐かない一力先生が「つらい」と…。
取材中の涙も印象的でした。
相当プレッシャーや期待を掛けられていたのでしょう…。
そのメールに対して洪先生は、
「真面目で囲碁のことばかり考えるのでしょうから、リフレッシュするのがいいと思い、遼が神戸にいたので、『美味しい神戸牛でも食べて』と返信しました」引用:NumberWebより
囲碁のアドバイスではなく、心のサポート。一力先生のことを本当に思っているからこその気遣いです。
そして2020年6度目の挑戦。
とうとう念願の初タイトル「碁聖」を勝ち取ります…!(相手は羽根直樹先生)
その後も井山先生から「天元」も獲得。
努力が報われた最高のサクセスストーリーですよね。
大きな壁を一歩乗り越え、現在は「棋聖戦」で再び井山棋聖の挑戦者に。
2勝1敗でリード、苦渋を飲んだあの時よりもさらなる進化を遂げています。このまま突き抜けてほしいです!
師匠の宋先生も現地で応援
一力先生は宋光復(ソウコウフク)九段の弟子でもあります。
宋先生は一力先生や他のお弟子さんを育成する中で、「一緒に食事をすることを心がけている」と過去の取材でおっしゃっていました。
囲碁は精神状態が対局に大きく関わる勝負。だからこそ時間を十分に取って対話を行い、メンタルケアをするのが大切ということです。
そんな宋先生だからこそでしょう。
なんと、一力先生の勝負時にはわざわざ現地に足を運び、一番近くで一力先生をサポートしています。
今回の棋聖戦も、きっと一力先生は安心して打てるはずです。
【まとめ】
2月の4日5日、洪道場出身の一力遼九段(挑戦者)と井山裕太棋聖が1勝1敗で並び、迎えた第46期棋聖戦3局目。
252手を最後に黒番の井山裕太棋聖が投了し、一力遼九段の中押し勝ちとなりました。
第4局は18日19日、甲府市が会場です。
一力先生には頑張って欲しいですが、もちろん井山先生も応援しています!両者にとって素敵な対局になることを祈っています。