伊了とは長い間一緒に勉強しました。よく浮かぶエピソードは高尾山です。ある日道場に来る予定だった伊了から電話がありました。洪「どうしたの?」伊了「先生、中央線に乗っていたら高尾山に行きたくそのまま高尾山に来ました。今日は道場休ませてください」という連絡(笑)洪「分かったよ。気をつけて楽しんでね」と伝えました。大物だなと思いました。伊了のストーリーをお伝えします。
伊了は中国語が出来るので、中国との交流も活発です。韓国の道場にも留学しましたが、そこの院長先生に「伊了は必ずプロ棋士になる」とお墨付きをもらったことがあります。勝ちに拘る貪欲さ、その執念、集中力が人並み外れている、というのが理由でした。
プロ棋士になる人の共通する部分は、負けることを極端的に嫌います。囲碁でもゲームでも何でも負けるのを嫌います。それで死ぬ気で戦い、苦しい時間でも壮絶に耐えます。伊了も極端な負けず嫌いが最大の長点だと思います。
伊了は小さい時から集中力がすごかったです。そして、自分で考えて布石を工夫する力もありました。しかし頑固なので、自分が納得するまでなかなか変えない所もありましたね。伊了はかなりの長考派です。一局にかける想いが、時間にも現れているのでしょう。伊了のせいで、院生の持ち時間が変わったという噂があるくらいです(笑)。それぐらい一局に注ぐエネルギーがすごい量なのです。
2016 年、李世ドル先生がアルファ碁に敗れた時、伊了から「こたえが出ているなら我々が囲碁を打つ意味がありますか?意味がわからなくなりました。囲碁をやめます」と言われたことがあります。深刻に考えることも伊了のよさでもあります。
つづく。。
洪道場総師範
洪 マルグンセム
「日曜道場出身棋士ストーリー」伊 了(い りょう)②負けず嫌い。そして集中力

