「日曜道場出身棋士ストーリー」伊 了(い りょう)①高尾山

 伊了とは長い間一緒に勉強しました。よく浮かぶエピソードは高尾山です。ある日道場に来る予定だった伊了から電話がありました。洪「どうしたの?」伊了「先生、中央線に乗っていたら高尾山に行きたくそのまま高尾山に来ました。今日は道場休ませてください」という連絡(笑)洪「分かったよ。気をつけて楽しんでね」と伝えました。大物だなと思いました。伊了のストーリーをお伝えします。

 伊了は本が大好きです。たくさん読みます。 時々、駅から道場までの道ですれ違う時に、本を読みながら歩く姿を見かけます(もちろん私に気付いていません)。「君は哲学者になりたいのではないの? 勝負師で間違ってない?」と思うこともあります。

 伊了は小さい時はとても可愛い子でした。現在は立派に成長して、可愛いとは違うかな? 笑顔が素敵で礼儀も正しく、無口ですごく頑固な性格でした。ただ、私の話は何故かよく聞いてくれました(笑)。

 伊了は勝負に関して厳しく、必ず勝とうという勝負欲は凄まじいものでした。負けて泣くことも珍しい光景ではありませんでした。自分の納得がいかないことは、理屈が理解できるまで何度も反復していました。囲碁に対しても、誠実で熱心に毎日勉強していました。いつも碁盤の前に座っている、棋譜を並べているイメージがあります。死活はそこまで好きではないと思いますが、平均以上、特に実戦での読みはピカイチです。

 同じ歳に道場四天王がいて、子供大会などで一緒に戦い、活躍していました。成長するためには、ライバルの存在が大事です。良いライバルに感謝して一緒に頑張る、競争する気持ちが彼らを強くする原動力だと思います。

つづく。。


洪道場総師範
洪 マルグンセム

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